TOP > 投資対象 > 為替・外債・FX > ご覧のページ

wall_米ドル

昨年12月以降、為替は大きく円安になりましたが、ここ数ヶ月はボックス相場になって落ち着いた動きとなっています。大勢的にはまだまだ円安が進むという意見が主流になっています。ではどこまで円安になるのでしょうか。

スポンサーリンク

購買力平価の目処は、97~106円

為替相場においては、需給・金利・金融政策など多様なファクターがありますが、長期的には購買力平価にそって推移するという立場です。インフレ率が高い通貨は下落し、インフレ率が低い通貨は長期的に上昇すると考えられます。

実際に慢性的に米国よりもインフレ率が低い日本の円は、ドルに対して大局的には円高で推移してきました。

ドル円の購買力平価

購買力平価は、どの種類の物価(消費者物価・起業物価・輸出物価など)を利用するか、基準年を何年にするかで変わってきます。

購買力平価の思想の根底にある一物一価が成立すると考えやすいのは、企業間の国際競争がダイレクトに反映される企業物価であるとも考えられます。その企業物価の購買力平価(1973年基準)は、97.40円となっています。

OECD公表の購買力平価(最新のGDPベース)では、105.9円となっています。


過去の騰落率

過去のドル円の騰落率を振り返ると、直近の円安トレンドにおいては、2005年1月101.68→2007年6月124.13で22.1%円安になりました。

その前は、1999年11月101.228→2002年1月135.14で33.5%の上昇でした。その前は1995年4月79.75→1998年8月147.66で+85.2%、1988年11月121.1→1990年4月160.2で+32.3%でした。

ドル円の安値・高値

今回の円安トレンドは、2011年10月75.32をボトムに103.73まで上昇しており、騰落率は+37.7%です。過去のデータからは、そろそろ達成感も出てくる頃合いです。また、長期的には平均回帰を期待できる実質実効為替レートは、過去30年で最高の円安水準であり、ちょうど前回のピークだった2007年頃と同水準です。

実質実効為替レート2013年9月


基礎的なファンダメンタルズが円安方向に行く可能性

もっとも、かつてと比べると基礎的な構造が円安方向に向かう可能性がかつてなく高まっています。日本の貿易赤字は14ヶ月連続となっており、第2次オイルショックの1979年7月~80年8月までに並んで過去最長となりました。

鉱物性燃料輸入が輸入の3割を占めており、当面はこの構図が続くと思われ、貿易赤字が解消する兆しは見えません。

所得収支は黒字で経常収支も黒字ですが、所得収支の円転・外貨転比率は貿易取引に比べてかなり低いことや、対ドル決済の赤字は膨張していることから、ドル円については、基礎的な構造はドル不足の状況が続いています。

購買力平価においても、日本のインフレ率が上昇してきており、諸外国とのインフレ率の格差が縮小傾向にあります。8月のコアCPIは前年比+0.8%となりました。+0.8%の内訳は、電気・ガス・灯油・ガソリン等のエネルギーが+0.81%、それ以外-0.01%であり、ただ単にエネルギー価格が上昇している(日本が資源国に多くカネを払っているだけ)という誰得物価上昇が続いています。

交易条件は悪化の傾向にあり、日本人マネーが資源国へ流出している物価上昇となっています。今後も、エネルギー価格の上昇率は引き続き高止まりする可能性が高いこと、食料品を中心に原材料価格の上昇を価格転嫁する動きが続くこと、13年度中は消費税率引き上げ前の駆け込み需要も考えられることなどから、インフレ率は上昇してくことが考えられます。

国内企業物価については、8月は+2.4%まで上昇しています。交易条件は09年半ばをピークに悪化の一途を辿っています。

金融政策の面でも、異次元緩和は続いており、米国のQE3は12月~来年前半には解除される可能性が高く、流動性の規模や金利などの金融政策の面では、ドル高・円安バイアスがかかりやすいと思われます。


まとめ

以上を総合考慮すると、結論としては2011年10月からの円安トレンドのピークはまだ先であり、105~110円(オーバーシュートで120円)あたりまでは円安にいくと思います。

QE3縮小先送りの見通し強化や米国の財政問題や、イタリアの政局炎上などによって、年末にかけて円高になった場合は、押し目買いのチャンスと捉えます。イタリアは中道左派・中道右派の大連立となっていますが、ベルルスコーニが連立離脱を指示したという話も出ています。これがボラティリティを生む可能性があるかもしれません。

なお、貿易赤字が止まらなかったり、インフレ率が順調に上昇して、諸外国よりも高くなる状況になった場合は、歴史的な円高の終焉となる可能性もあるでしょう。経常収支・貿易収支、内外インフレ率、実質実効為替レートに引き続き注目していきます。

スポンサーリンク

Google+で売買報告や限定投稿を配信しています!


関連記事

    2013.09.30 Mon l 為替・外債・FX l コメント (0) トラックバック (1) l top
    コメント
    コメントの投稿











    トラックバック
    トラックバック URL
    http://thegoalnext.blog.fc2.com/tb.php/1105-675e3d23
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
    昨年12月以降、為替は大きく円安になりましたが、ここ数ヶ月はボックス相場になって落ち着いた動きとなっています。大勢的にはまだまだ円安が進むという意見が主流になっています。ではどこまで円安になるのでしょうか。... アベノミクス相場でドル円はどこまで円安になるか?