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Exchange Money Conversion to Foreign Currency

1970年代の変動相場制への移行以来、日本は長らく恒常的な円高傾向が続いていました。日本は世界的に景気が回復している時だけ、円高が緩和されて円安になる傾向がありました。その傾向が終焉する可能性が出てきました。

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これまでの恒常的な円高傾向の要因は、購買力平価経常収支などで説明できます。

購買力平価

以下グラフは購買力平価の推移です。クリックで拡大します。
ドル円購買力平価
(出典:公益財団法人国際通貨研究所)

相対的に低インフレの国の通貨(円、スイスフランなど)には、長期的スパンでは購買力平価による構造的な通貨高圧力がかかります。インフレとはモノやサービスと交換する時の通貨の価値(購買力)の下落なので、各国通貨の購買力の観点で、理論的な名目為替レートの均衡値(=購買力平価)を計算すると、相対的低インフレ国の通貨には、他国との物価上昇率の違いの分、自国通貨高圧力がかかります。

2%の物価上昇率が良い形で実現するか否かについては議論があるでしょうが、手段を選ばなければ2%のインフレ率は達成可能です。

今後は原理主義的に2%に突き進むのか、弊害も考慮しつつ舵取りをするのかに注目ですが、日本の財政状態からは、高インフレ・人為的低金利によるスローモーションのデフォルト以外の選択肢はないのかもしれません。

かつてのカナダやスウェーデンのように構造改革による財政再建を果たすのが理想的でしょうが、残念ながら日本では難しそうと言わざるを得ません。 米資産運用会社ダブルライン・キャピタルCEOの言葉を再掲します。

高いインフレ目標を掲げる政治を消費者が望んで受け入れる国は、世界を見渡しても日本以外に見当たらない。もはや通貨安しか道が残っていないとも言える。」

「紙幣の増刷は危険なゲームだ。財政の穴埋めが止まらなくなり、人々の行動が変わってしまったら、インフレの抑止は困難になる。」

「日本国債のデフォルトはないだろう。インフレの本質はスローモーションのデフォルトだ。年率7%のインフレが続けば、今の100円は10年後に半分に価値が目減りする。政府の実質的な債務負担も半分になる。安易な道だ。犠牲になるのは市民の購買力だ。」


経常収支

以下グラフの赤線が経常収支の推移です。紫が所得収支、黄色が貿易収支です。
経常収支
(出典:日本銀行)

金融市場がリスク・オフとなる局面でも、経常収支絡みの取引は凍結されにくく、経常黒字の通貨は恒常的な自国通貨買いフローがあると言えます。輸出入、利子・配当の受け払い、経常移転取引などは停止することなく、為替需給に反映されると基本的には考えられます。

しかし、わが国の経常収支は下落の一途をたどっており、貿易収支は赤字が定着しつつあります。所得収支は黒字が続いたとしても、配当や利子などの投資収益は外国で再投資されるケースも多いです。統計上はこうした再投資も所得収支に計上されています。所得黒字が必ずそのまま円相場に反映されるわけではありません。

日本の貿易収支におけるドル建て決済は、現在は年間で20兆円近辺まで赤字が拡大しています。6月の貿易収支では、輸出数量が前年比-7.3%(5月は-4.8%)とマイナスが続いており、輸出量は依然として低調です。

円安が進むと、輸出量も徐々に増加して貿易収支が改善する「Jカーブ効果」が起きると言われていますが、現段階では数量ベースでの輸出の回復は見られていません。近年、為替と輸出数量の相関係数において為替の輸出数量指数に対する先行性が崩れています。日本企業の海外シフトが続いたことや競争力の低下が考えられ、かつてのようには円安に依る輸出の持ち直しがいかないかもしれません。


実質実効為替レート

以上のことから、基調的な円高傾向が終焉しつつある可能性が出てきました。しかし、長期的には平均回帰が期待できる実質実効為替レートを見ると、過去30年間で最高の円安水準です。

円の実質実効為替レート

ただ、1995年の円高バブルのような円安バブルが発生する可能性もあるものの、そろそろ円高への反転も懸念されます。

実質実効為替レートでの円安が円高方向にいくのは、日本のインフレ率の上昇か円高です。今後は、日本のインフレ率の上昇で調整されるか、円高によって調整されるかです。

円安バブルが発生するケースは、大規模なキャピタル・フライト(日本からの資金流出)が生じるケースでしょう。この場合、インフレ・円安のスパイラルに陥る懸念がありますが、今のところは鉄壁の資金循環構造から、その可能性は低いでしょう。

結論としては、新規の外貨買いはストップ・既存のポジはホールド、ここから円高に10~20%ふれることがあったら外貨の積み増しというスタンスです。

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    2013.08.27 Tue l 為替・外債・FX l コメント (6) トラックバック (0) l top
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