TOP > ARCHIVE - 2010年01月

前々回前回と企業年金制度の一般論について述べました。今回は、IFRSの導入が企業年金に与える影響についてまとめたいと思います。

国際会計基準(IFRS)の改定基準が2011年に公表される予定です。

日本では、2012年に上場企業に強制適用するかどうかを決定し、最低3年間の移行期間を経て、2015年にも上場企業に強制適用される可能性があります。

IFRSの包括利益では、企業が保有する株式や不動産などの時価の変動を考慮して、資産から負債を引いた純資産全体の価値がどの程度増減したのかが、利益とみなされます。

IFRSの新基準では、年金の積み立て不足を貸借対照表(IFRSでは財政状態計算書)に計上させる案が有力であり、さらには、積立不足額を純利益にも一括反映する案も検討されているようです。

これらが実現した場合、財務が悪化する企業が続出する可能性があります。

2010.01.18 Mon l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top

■ファンダメンタル

<株式> ・日経平均

日付日経225PBR予想PER国債
2003/4/287,6081.29109.090.61%
2007/7/2918,2622.0719.531.95%
2010/1/1510,9821.3938.201.31%
・TOPIX

TOPIXPBR予想PER配当利回りNT倍率TS倍率
966.401.2838.141.66%11.36 0.85

株価の底値圏においては、予想配当利回りが、長期国債の利回りを上回る現象が発生しています。2003年、2008年後半~2009年上期などであり、現在も発生。

NT倍率が低下し、TS倍率が上昇傾向です。TOPIXの出遅れ修正の流れか。

・米国

 NY Dow30S&P500
終値10,609.651,136.03
予想PER(2010年)13.3514.88
EPS794.73 76.35
10年国債利回り3.67%3.67%
リスクプレミアム5%12,2831,180
リスクプレミアム6%10,6391,022
リスクプレミアム7%9,383901
NYダウのファンダメンタル上のレンジ(割安~普通)は、9,383~12,283

S&P500は、901~1,180

長期金利の低下と企業業績の若干の回復により、割安~普通のレンジが上向きました。企業利益が回復すると、このレンジは上昇します。

引き続き、10年度の予想利益を織り込めば、割高感はありません。09年度比ではほぼ上限のラインです。

2010.01.17 Sun l マーケット雑感・運用状況 l コメント (0) トラックバック (0) l top

■1月に発行される個人向け社債の利率が決まりました。SBIホールディングスも1/13から売り出していましたが、今回も瞬間蒸発でした。

<オリックス>

利率は、2.95

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償還期間:3年

購入単位:100万円

募集期間:2010/1/15~2010/1/28

格付け:A(R&I)、A+(JCR)※取得予定

   

販売会社:オリックス証券、日興コーディアル証券、岡三証券など

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2010.01.16 Sat l 個人向け社債 l コメント (0) トラックバック (0) l top

前回 は、会社員の視点から企業年金について述べました。今日は企業経営者と投資家の視点について述べたいと思います。

■企業経営者

企業経営者の立場からすると、高い利回りの確定給付の企業年金は、非常に負荷が高い制度でしょう。1990年代末には、予定利率と実際の利回りの逆ザヤに耐え切れなくなり、多くの生保が破綻しましたが、企業年金も同じような構図があると思われます。

企業年金は、企業の金融子会社的な性質が強いです。本業とは全く無関係の資産運用次第で、多額の積立金不足が発生することは、経営サイドからすると、望ましい姿ではないと考えるかもしれません。

JAL以外にも、年金の積み立て不足を抱えている企業が多いです。積み立て不足は、現在の会計基準では一定期間内で、営業費用などとして処理する必要があり、中長期的に利益を減少させる効果があり、自己資本を目減りさせます。

大企業で、自己資本と比較して、年金の積み立て不足が多い企業は、以下の通りです。

 積立不足額/自己資本(%)積立不足額(億)
JAL189.8%3314.7
東芝121.8%5446.8
三洋電機110.6%1619.1
富士電機HD86.7%1130.1

※09年6月期の実績

09年6月期のデータでは、JAL、東芝、三洋電機は、企業年金の積立不足額を一括処理したら、自己資本が全て吹き飛び債務超過に陥る状況でした。完全時価会計では、実質債務超過でした。

本業で1円でも多くコストをカットし、1円でも多く売上を伸ばすように懸命な企業努力をしても、本業とは全く無関係の株価下落で、それらの企業努力が吹き飛んでしまうことになっています。

このように企業年金は業績や財務内容に大きな影響を及ぼすため、JALのような深刻な経営状態ではない企業であっても、厚生年金基金を脱退して、確定拠出年金へと移行する企業が多いようです。

例えば、ユニクロで有名なファーストリテイリングは、2002年に確定拠出年金へと移行しており、財務の大きなネックの一つは解消しています。

そもそも論として、企業が企業年金という制度を維持していたのも、前回述べたように、予定利率と国内債券の利息の差額をピンハネするのが主な動機だったような気がします。それができなくなった現在、確定給付型の企業年金はやめ、確定拠出年金へと移行したいという経営者が多いと思われます。

2010.01.15 Fri l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top

昨年以来、JALの企業年金問題がクローズアップされ、企業年金に大きな注目が集まりましたね。

この問題については、どの立場に立つかで見える景色がガラリと変わるかと思います。会社員、企業経営者、投資家の3つの立場から、企業年金について見てみたいと思います。

※ここでの企業年金は、厚生年金基金や確定給付型の企業年金です。確定拠出年金は除きます。

2010.01.13 Wed l 経済・社会・金融動向 l コメント (0) トラックバック (0) l top

■ファンダメンタル

<株式> ・日経平均

日付日経225PBR予想PER国債
2003/4/287,6081.29109.090.61%
2007/7/2918,2622.0719.531.95%
2010/1/810,7981.3437.11.34%

・TOPIX

TOPIXPBR予想PER配当利回りNT倍率TS倍率
941.291.2437.021.71%11.47 0.82

株価の底値圏においては、予想配当利回りが、長期国債の利回りを上回る現象が発生しています。2003年、2008年後半~2009年上期などであり、現在も発生。

・米国

 NY Dow30S&P500
終値10,618.191,144.98
予想PER(2010年)13.3514.95
EPS795.37 76.60
10年国債利回り3.83%3.83%
リスクプレミアム5%11,9971,155
リスクプレミアム6%10,4241,004
リスクプレミアム7%9,216888

NYダウのファンダメンタル上のレンジ(割安~普通)は、9,216~11,997

S&P500は、888~1,155

2010年度の予想利益を織り込めば標準的な株価水準であり、割高感はありません。2009年度の予想PERは、S&P500は約20.38であり、これを基準にするとほぼ上限。09年10-12月期の決算に注目。

2010.01.11 Mon l マーケット雑感・運用状況 l コメント (0) トラックバック (0) l top

■東武鉄道と小田急電鉄も、個人向け社債の発行を発表していました。年明け早々、個人向け社債の発行ラッシュとなりました。

<東武鉄道>

利率は、0.69~1.29%(中央値0.99%)

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償還期間:3年

購入単位:100万円

金利:0.69~1.29%(1/15決定)

募集期間:2010/1/18~2010/2/1

格付け:BBB+(JCR)※発行体

   

引受人:野村証券、大和証券キャピタル・マーケッツ、みずほ証券、日興コーディアル証券、三菱UFJ証券など

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格付けBBBの社債(3年)のデフォルト率は、0.48%。※JCR(1998年~2008年)

・前営業日のデータでは、同社の機関投資家向け社債の店頭売買参考統計値利回り平均は、残存期間約3年5ヶ月ものが0.987%(2013/06/06)。

同社のCDS参考値は、66.70(0.667%

※5年物、想定元本額 5億円、信用事由3イベントのCDS取引を対象とした値

・今回の個人向け社債の予定利率の中央値は、機関投資家向け社債の流通利回り(0.987%)より、若干条件がいいです。

ただ、昨年2月の同社の社債(1.71%)からは、格段に利率が低下しました。当時とはクレジットコストが段違いなので、止むを得ませんが。

懸念点としては、百貨店事業とホテル事業の不振くらいですが、会社全体ではしっかりと営業キャッシュを出しており、問題は少ないかと思います。株価もやや割高と思われる水準をキープしています。

有利子負債は10年度がピークであり、以降は低下するという推測もあるそうです。

ただ、金利水準が定期預金(オリックス信託、東京スター)とほぼ同水準であり、妙味は少ないです。

高金利銀行の1000万円枠を使い果たしている方には、選択肢の一つかもしれません。

2010.01.10 Sun l 個人向け社債 l コメント (0) トラックバック (0) l top