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Waterfall between the Reekie Linn and the Slug of Auchrannie

アベノミクスによる次元の違う金融緩和&財政支出、日銀の独立性の実質的な終焉といったイベントは、歴史的な転換点になる可能性があります。
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秩序ある資産インフレは◎

今のところ短期金利は低位安定し、長期金利の上昇もマイルドな水準です。低インフレの下での円安、株高の好循環が続いており、これが持続すると、実体経済への好影響も期待できるでしょう。

つまり、現時点では物価インフレは起きてなく、資産インフレが発生しています。ほどほどの資産インフレは経済に好影響です。物価は1~2%程度のマイルドインフレに落ち着けば理想的でしょう。


歴史を振り返ると、相場は行き過ぎる。

このまま上手く行くといいですが、過去の歴史を振り返ると、政治家・中央銀行が人為的に経済を操作しようとした際は、皮肉にも相場がオーバーシュートしてしまいます。これが歴史の教訓です。

1980年代半ば、ドル高を放置できなくなった米国の要請に応じて、日本は欧州諸国と協調して大規模なドル売り介入を実施しました。

これによって為替レートは行き過ぎてしまいます。240円だったドル円がわずか2年後には120円までオーバーシュートし、とてつもない円高となりました。

円高不況が危惧され金融緩和の大合唱が起こり、日銀は大規模な金融緩和に転じ、長らく政策金利を低く抑えました。今度はこの金融緩和が行き過ぎてしまい、壮大なバブルが発生しました。日本中が踊りました。

バブルで地価が高騰しすぎて批判が巻き起こり、今度はバブル潰し・金融引締めの大合唱が起こりました。日銀は鬼のような金融引締めに転じました。当時の新聞は日銀の金融引締めに拍手喝采しました。

すると今度はこの金融引締めがオーバーシュートし、バブルは盛大に崩壊して、今度は資産デフレが問題になるようになりました。

日銀の金融緩和や為替操作で、経済動向を思うがままに操作可能だという思想は過大評価であり、金融緩和や為替操作は時としてオーバーシュートしてしまいます。

かつて共産主義は、一国の指導者が計画経済を行うことで、経済を思うがままに操作して繁栄できると信じました。その顛末は言うまでもありませんね。

中央銀行が経済を自由自在に操れるというのは、「金融版共産主義」とも形容できます。金融版共産主義が上手くいくか、壮大な社会実験が起きようとしています。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がありますが、わが国は・・・。


経済界・政治家から行き過ぎた円安を危惧する声

ここにきて、経済界・政治家から過度の円安を懸念する声が出ています。

甘利明経済再生担当相は、ドル円相場が「3桁を過ぎていくと輸入価格の上昇が国民生活にのし掛かってくる。うまくハンドリングしなければならない」と述べました。

日本商工会議所の岡村会頭は、「1ドル85~90円の水準が企業が落ち着いて経営できる」、「110円や120円というレベルは輸入のダメージが大きい」と述べました。

甘利氏や岡村氏が過度の円安を懸念しているように、エネルギーや原材料を輸入に頼る企業にとっては、円安が行き過ぎるとコストが増加する側面があります。

住友商事の高井理事によると、ドル円が1円安になるごとに、石油・ガスの輸入コストが2,750億円増加するという試算があるようです。

円安によって輸出企業の競争力は高まりますが、燃料コスト・輸入物価の増加によるインフレは日本企業の競争力を削ぎ、個人消費を減退させます。

2008年上期、原油が高騰してインフレ率が待望の2%を突破した際、日本経済は良くなったでしょうか。言うまでもありませんね。


今後の日本の運命、それぞれの選択

アベノミクスについては、「そんなにうまく訳がない。遠からずデフレ円高に戻る」という声も根強くあります。

しかし、過去の歴史を振り返ると、相場は行き過ぎるものです。インフレ・円安が行き過ぎてしまい、「インフレと円安で困った、インフレを抑制して円高にしなければならない」という事態になってしまう可能性もあると思います。

インフレは金融引締めで抑えられますが、そうなったら経済はズダボロになり、社会的にも大きな犠牲が生まれます。日本のバブル崩壊後のような状況が再びです。1990年代は財政にも余裕があり対策が打てましたが、今はもう限界です。その時はゲーム・オーバーでしょう。

また、円売り・外貨買い介入は一応は無限に実施できますが、外貨売り・円買い介入には限界があります。過去、幾多の諸国で決死の通貨防衛も虚しく、通貨安が加速して経済が崩壊し、大きな犠牲が出た例があります。

もちろん、金融版共産主義がうまく行って、マイルドインフレ・マイルド円安・株高が続いてハッピーになる可能性もあります。また、デフレ円高に逆戻りの可能性もゼロではありません。

私達一人ひとりは、かつてない程に将来が不透明な状況下、それぞれの交差点に立ち止まり、迷いの中、道を選んで歩いて行く必要があります。

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    2013.01.15 Tue l マーケット雑感・運用状況 l コメント (4) トラックバック (0) l top
    コメント
    No title
    はじめまして、まつのすけさん

    過去記事から読ませて頂きました。とても勉強になります。

    いつも質の高い記事ありがとうございます。
    2013.01.15 Tue l Miller3132. URL l 編集
    Re: No title
    ありがとうございます!
    2013.01.15 Tue l まつのすけ. URL l 編集
    No title
    いつもお世話になっています。
    以前、買い推奨のIPOを記事にされていたと思いますが、もうされないんでしょうか?すごく参考になっていたので出来たらまたお願いしたいです。
    すみません、買ってないことばかりを言いますが…。
    2013.01.17 Thu l . URL l 編集
    Re: No title
    IPOの記事、今後も続けます!今年もIPOの案件が出て来ましたね。
    近日中にアップしようと思います!
    2013.01.17 Thu l まつのすけ. URL l 編集
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